
Dr. Sebastian Halder
Dr. Sebastian Halder セバスチャン・ハルダー博士インタビュー

エセックス大学 上級講師 セバスチャン・ハルダー博士
エセックス大学では、AIによる財務監査と、痛みを解析して脳信号を解析するという2つの分野の研究を行う。今後ますます重要度が増すであろう、コンピュータサイエンスの研究を通じて、様々な社会課題の解決に挑んでいる。
インタビュアー(須藤 雄一講師)
まずセバスチャン博士のこれまでのキャリアについて教えてください。
セバスチャン・ハルダー博士
私はドイツにある大学に通っていました。トゥービンゲンという都市で、そこで生物情報学を学んでおりました。生物学とコンピュータサイエンスを合わせた分野です。その中でも神経科学を重視して学んできました。その後も同じテーマで博士課程に進み、体に麻痺のある方々のためにコミュニケーションを支援するシステムを開発しました。これはBCI(Brain Computer Interface)という分野の研究です。
博士号取得後はドイツのヴュルツブルクに移り、2014年からは日本でJSPS(日本学術振興会)のフェローシップに参加しました。その後、ノルウェーへ移り、最終的にエセックス大学へ講師として着任し、現在は上級講師を務めています。
須藤 雄一講師
セバスチャン博士が取り組むコンピュータサイエンスは、これからの世界にどのような可能性をもたらすとお考えですか?
セバスチャン・ハルダー博士
コンピュータサイエンスはあらゆる分野で重要です。金融、神経科学など、さまざまな領域で活用されています。今後は読み書きと同じレベルで必要なスキルになるでしょう。また、問題を細かく分解することで理解が深まり、小さな課題の解決が大きな問題解決につながります。
AIについても同様に、世界経済全体に対して大きな可能性があります。ルーティン業務の自動化や、直感的なインターフェースの実現などが進むでしょう。現在は非常に注目されている分野ですが、今後は一度落ち着きつつも、投資や発展は続いていくと考えています。また、AIによって新しい仕事やクリエイティブな領域も生まれます。一方で、データ保護や個人情報の扱いといったリスクも重要な課題です。学生には、可能性と同時にリスクも理解してほしいと考えています。
須藤 雄一講師
セバスチャン博士ご自身は、教育の中でAIをどのように活用していますか?
セバスチャン・ハルダー博士
AIは教育においても重要ですが、評価の方法にはまだ問題があります。たとえば学生自身が自分で課題を解くのではなく、AIに課題を解かせてしまうということが起こりえます。そこで私は、オープンクエスチョンを用いた課題を設計しています。学生と対話しながら、AIとの適切な向き合い方を理解してもらい、創造性を引き出すことを重視しています。
須藤 雄一講師
本校の教員とも交流していただきましたが、いかがでしたか?
セバスチャン・ハルダー博士
大変光栄でした。共有できる価値があると感じました。多様なバックグラウンドの学生に対して学びを提供し、理論的かつ実践的なカリキュラムを提供している点が非常に魅力的です。このパートナーシップは双方向であり、一方通行ではないことも大きな価値だと思います。
また御校では、実践的な教育を重視していると伺いました。エセックス大学の理論を、実践に結びつけることはとても重要です。その橋渡しが御校のような高等教育機関の役割であると考えています。
もちろん実際の設備やツールを使った学習は非常に重要で、それによって現場で活用できるスキルが身につくことが感じられました。サイバー演習環境についても、非常に素晴らしいアイデアだと思います。ゲーム性を取り入れることでモチベーションが高まり、学習効果も向上します。問題解決能力やクリエイティブな思考、チームワークも同時に養うことができます。国際的な学生同士の交流も生まれ、非常に価値のある取り組みです。
須藤 雄一講師
カリキュラムについてはいかがですか?
セバスチャン・ハルダー博士
日本のローカルな知識と、エセックス大学の国際的な知識を同時に学ぶことができます。実用的かつ理論的なスキルは、卒業後のキャリアに大きく役立ちます。これは非常にユニークな機会です。
須藤 雄一講師
最後に、学生へのメッセージをお願いします。
セバスチャン・ハルダー博士
このパートナーシップは、国際的に評価の高いエセックス大学の教育を受けられるとても素晴らしい機会です。知識だけでなく、思考力も身につけることができます。日本独自の知識と国際的に認められた教育を同時に得られる、非常にユニークな学びの環境を実感しました。このプロジェクトは成功すると確信しています。