さくらインターネット株式会社 川村様 / 武村様

さくらインターネット株式会社 川村様 / 武村様

さくらインターネット株式会社 川村様 / 武村様|英国国立エセックス大学公認国際教育提携校 SAK University東京イノベーションキャンパス -コンピュータサイエンス×AIエンジニアリング専攻学科-

(右)ES本部 本部長兼人事総務部 部長 川村様
(左)ES本部 人材企画部 部長 武村様

海外大学卒業生の採用状況を教えてください。

【武村様】
新卒領域においてはまだ実績がありませんが、積極的に海外事業にチャレンジしていく弊社の方針もございまして、帰国子女、外国籍の方問わず海外の大学で学習している方々には非常に注目しており、前向きに今後の新卒採用を検討しています。キャリア領域においては、通常の年だと50~100名程度、注力する年だと150~200名程度の採用実績があります。

【川村様】
特定の職種に絞っているわけではなく、企画系、営業系、マーケティング系、エンジニア系など、当社の事業領域を拡大していくにあたり、新しい領域にチャレンジしていくマインドを重視した選考を行っています。弊社が大事にしている価値観に「変化と成長」というワードがあり、その中で継続的に活躍できる人材の共通点は、常に自分自身が成長するために異なるフィールドを求めてチャレンジしていくポジティブな姿勢だと考えています。

御社で活躍されている海外大学卒業生の方はいらっしゃいますか?

【武村様】
各配属部門にて第一線で活躍されている方々が大勢います。特にIT領域は、マーケットが日本だとしても海外企業とのパイプや関係性は増えていきますし、IT技術を自社で改めて研究・開発・展開することも頻繁にありますので、少なからず海外の大学で学習した知識や経験が役立つかと思います。また、弊社ではチャレンジ精神を大切にする風土が強く根付いていますので、日本の大学卒業生、海外の大学卒業生、区別なく、リーダー職やマネジメント職で活躍していることも特徴的です。

海外大学の卒業生と日本の大学の卒業生では、なにか違いはありますか?

【川村様】
基本的には区別なく評価基準を設けているのですが、強いて言うならば、海外大学卒業生の方々は、関わる人のバックグラウンドに対して寛容な姿勢が出来上がっている印象があります。例えば、日本で生まれ育ち日本企業で働いている人は、海外の言語や文化に触れた時、戸惑うことがあると思います。一方で、海外大学卒業生の方々は、多様性に慣れ親しんでおり、コミュニケーションの場においても、「自分にとっての“当たり前”が相手にとっては違うかもしれない」と配慮した上で信頼構築を図っているように感じます。もちろん、日本の大学卒業生の方でも同様のコミュニケーションを取れる方はいますので、俗人的なスキルかもしれませんが、海外大学卒業生の方々に感じる機会が多いのも事実です。

どのような学生体験を重視されていますか?

【武村様】
自分の常識と相手の常識が異なることを知るのは大変重要なことだと思います。例えば、自分の意見を主張することが当たり前だと思っている多弁な方が、口数の少ない方を「なぜあまり口を開かないのだろう?」と疑問に感じることもあるでしょう。しかし、口数の少ない方にとっての常識が「相手の意見を聴くこと」だとすれば、お互いのスタンスを理解することによって素晴らしいチーム力を発揮できる。自分と違う考え方に触れることは、国内ではもちろん、グローバル視点でも活躍できる糧になります。

【川村様】
学生時代に社会人の体験をすることが正論とは限りません。むしろ、学生のうちにできること、学生だからこそできることも大事にしてほしい。海外旅行してみたり、見知らぬ土地でいろんな人とフラットにコミュニケーションを取ってみたり。それが仕事やビジネスに関係のない私生活の中での体験だとしても、自分に馴染みのない文化や考え方に触れることで、必ず社会で役に立つ時がやってきます。

コンピュータサイエンス教育について企業として求めていることは何ですか?

【武村様】
コンピュータ=ソフトウェアの印象が強い人もいますが、本質的には物理のレイヤーから構成されたテクノロジーであり、ミドルウェアをはじめとする物理基盤がベースになっています。そのような点も含め、一貫した技術レイヤーを一通り学べる環境があるかどうかによって、その後の成長が大きく変わってくるものと考えています。

【川村様】
そうですね。本当に大切なのは、一通りの技術レイヤーの存在や概要を知った上で、自分がどのレイヤーに興味関心があるのかを探り、深めていくこと。そういった意味でも、スタートの段階でコンピュータサイエンスの基礎を理解できる機会は非常に重要です。特にエンジニア職においては、「好き」という気持ちがあるかどうかで、成長の度合いが大きく異なります。弊社としましても、単に職業を提供するのではなく、「好きを仕事にできる」というポジティブな気持ちから提供できれば嬉しいです。

AIの知識は今後の業務に必要と考えられますか?

【武村様】
エンジニアリング領域においては、アイデアを形にするフェーズで「AI」の存在がホットになっている一方で、どのようなテクノロジーを導入すべきかという設計フェーズでは、引き続き「人」の存在が重要になると考えています。また、ビジネス領域においては、これまでの業務プロセスを再設計するレベルで大きく変革していくことを想定しており、AIをどのように活用すれば世の中を変えられるか、日々の生活をより快適にできるか、AIの知識が事業を動かすポイントにもなり得ます。

【川村様】
『AIの知識』という言葉の定義にもよりますが、PCが世の中の日常アイテムになったように、AIの利活用も世の中の日常に溶け込みつつあります。今やAI知識は技術者の管轄とは言い難く、近い将来、社会のベーシックなスキルとしてあらゆる部門・業務で必要とされる日がやってくるでしょう。弊社の管理部門でもAIは多く導入・運用されており、「AIを使うスキル」いわゆる「AIにどのような指示を出すか」もAIの知識として重要視しています。

英国型教育を受けた学生に対する印象をお聞かせください。

【武村様】
単に専門的な知識を詰め込むのではなく、幅広い知識と多角的な思考力を育むリベラルアーツ教育を好み、論理的思考や論理的判断力に長けている印象です。例えば、先ほど話で挙がっていたAIを使う場面ですと、成果物の良い悪いを判断する上で、広い視野でのロジカルシンキングが発揮されているように感じます。

当校の教育機関としての印象をお聞かせください。

【武村様】
IT技術において網羅的に知識を習得できるカリキュラムがある印象を受けました。特にセキュリティ領域を重視していらっしゃることが素晴らしいと感じました。なぜなら、世の中で物理的なものがITに置き換わる需要が高まり続けている中で、弊社においてもクラウドをつくっているのですが、セキュリティ領域が品質と信頼を左右するほど重要であることを知っているからです。

【川村様】
コンピュータサイエンス教育で求めている内容にて述べましたように、一通りの技術レイヤーの存在や概要を知ることの重要性を踏まえますと、非常にマッチした教育機関だと感じました。言わばフルスタックなエンジニアのベースラインを学べるということですので、受講者が就職や転職活動を有利に運べますし、人材を採用する企業側としても期待値が高まります。

今後の採用・人材開発において、海外教育機関との連携や視点は重要になるとお考えですか?

【武村様】
はい、重要だと考えています。弊社の取り組みとしても、日本のマーケットだけに限定せず海外の舞台でクラウドベンダーとしてチャレンジしていきたいという意向がありますので、国内外で人材が活躍する上で、海外教育機関との連携も視野に入れることは非常に大切です。

【川村様】
加えて、日本では海外メーカーからPCやITサービスを仕入れている現状が続いていますが、逆に国産のITブランドが海外でヒットするケースは稀です。日本のIT産業で生み出されたものを海外に展開するなど、IT貿易赤字を解消していくという国内規模の課題解決に貢献していくためにも、海外教育機関との連携や関係構築は重要になるでしょう。

当校の学生に向けて、一言メッセージをお願いいたします。

【武村様】
幅広いITの中で、まずは「ご自身が好きなこと」を見つけてほしいです。その次に『好きなことを追究』してみてください。それは、きっと世の中の誰かが求めているものでもあります。「好き」という気持ちに向かって走り続けることで、世の中に変化をもたらす存在になってくれたら嬉しいです。

【川村様】
弊社では「『やりたいこと』を『できる』に変える」を企業理念としています。「やりたいことができる」ではなく『できるに変える』ために行動してほしいという意味です。おそらく皆さまは、今やりたいことがあって、それを実現すべくスクールに通っているのだと思います。すでに行動していることを誇りに思い、是非、やりたいことを『できる』に変えられるように取り組んでいただきたいです。